辺野古新基地建設に伴う大浦湾の埋め立て承認取り消し処分を是正するよう求めた国の指示にたいし、沖縄県知事が従わないのは違法と国が起こした裁判の緊急報告会が24日、那覇市内で開かれました。
竹下勇夫弁護団長は、代執行訴訟での和解から今日までの経過と裁判の争点を説明しました。
龍谷大学の本多滝夫教授(行政法)が基調報告を行い、「翁長知事には国の指示に従う義務があるのか」などの問題について、解明しました。
翁長雄志知事がおこなった処分には法令に反したところはなく、国地方係争処理委員会の決定に沿って県は協議による解決に努力をしてきており相当な期間が経過しているとする国の主張は当たらないと反論しました。
裁判所が発揮すべき真価は何かについて提起した本多氏は、「うるま市で起きたような事件があってはならない。知事は自治権を行使し、県土と県民の命を守る判断をした。裁判所は、その知事の判断に敬譲(けいじょう)を払うべきだ」と述べ、日本の民主主義を回復し、政治の信頼を取り戻す機会を逸してはならないと訴えました。
翁長知事も登壇し、「裁判を通して気づいたことだが、日本政府は地方自治をまったく理解していない」と国の姿勢を批判しました。
名古屋大学の紙野健二教授が「集会でたくさんの人が正論を述べれば、裁判官の耳に入る。正論は必ず人を動かす」と述べ、支援を呼び掛けました。
報告会には、日本共産党の赤嶺政賢、畑野君枝、梅村さえこ、島津幸広各衆院議員が参加しました。
【「しんぶん赤旗」2016年8月26日付】