日本共産党の梅村さえこ議員は22日の衆院予算委員会で、国民の悲鳴を聞こうとせず、消費税大増税に突き進む安倍内閣の欺瞞(ぎまん)を批判し、増税中止を求めました。
世論調査では6割が来年4月からの消費税10%増税に反対。増税に反対する請願署名も2012年以降だけでも940万人分が国会に提出されています。
梅村氏は自身のもとに届けられた生活に苦しむ多くの声を紹介。「増税で子どもに誕生日のケーキも買ってやれない」「命の限界。(増税は)死ねということか」などの悲鳴があがっていること、とりわけ深刻な母子世帯の実態を告発しました。
総務省「全国消費実態調査」で母子世帯は月944円の赤字となっています。梅村氏は、子どもと接する時間も犠牲にしてトリプルワーク(三つの仕事)をしながら、食費・水光熱費・衣料費を限界まで削っている母子世帯の実態を紹介。「『月944円の赤字』が内包している実態を知っているのか。消費税10%になったら、母子世帯の生活はどうなるのか」とただしました。
麻生太郎財務相は「(消費税を)2回あげたら退陣は間違いないと聞かされ、大臣を引き受けた」などと国民の反発が強いことを認めながら、「母子世帯への対応は税制ではなく、予算上の支援に絞って行うことの方が効果的だ」と開き直りました。
梅村氏は、消費税導入時から低所得者ほど負担が重い逆進性への懸念があげられていたことにふれ、「懸念は解消したと考えているのか」と追及。麻生財務相は「引き続き配慮が求められている」としながら、「消費税増収分は全額、社会保障の充実・安定化にあて、所得の低い方々に配慮する」と増税を当化しました。
梅村氏は1989年の消費税導入以降、消費税収額は総額304兆円にのぼることを指摘。一方で、医療の窓口負担は上がるなど社会保障改悪の連続だったとして、国民の命を切り刻む消費税の増税はやめるよう重ねて求めました。
【「しんぶん赤旗」2016年2月23日付】
ー会議録ー
○梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。
私、消費税が導入されてこの二十六年間、消費税に関する市民運動を続けてまいりました。その中で、本当にたくさんの方々の消費税に苦しむ悲鳴を聞いてまいりました。そして、その怒りの中で国会に送っていただきましたので、きょうは消費税の増税についてお伺いしたいと思います。
まず初めになんですけれども、安倍総理は、予定どおり来年四月から消費税を一〇%にすると繰り返し表明されております。しかし、世論調査、最近でも、消費税一〇%への反対が、例えば朝日新聞でも五六%、そして岩手日報の調査では七六・七%に、この消費税増税反対の声が上ってきているところです。また国会にも、二〇一二年の百八十国会以降だけでも、実に九百四十万人分が請願署名として提出されてきております。
麻生大臣にお伺いします。こうした国民の声、しっかりと認識しておられるでしょうか。
○麻生国務大臣 これは、梅村先生、一昨年の消費税の八%への引き上げというものが、五から三%上がりました引き上げが消費に影響を与えたということは事実でありまして、こうした影響を反映して、今御指摘のありましたようないろいろな御意見があるということは承知をいたしております。
一方で、消費者のマインドにつきましては、二〇一四、一五ぐらいから少し持ち直しの傾向がある中で、十七年ぶりの高い賃金上昇というものを背景に、個人消費につきましても、かつての落ち込みから少し持ち直したというところははっきりいたしていると思っております。
平成二十九年四月の消費税率一〇%の引き上げというものに関しましては、今の八%が二%上がるということですが、やはり我々としては、今の財政というものを考えた場合に、今後とも、世界に誇れるような社会保障制度、国民皆保険等々を次の世代に引き渡していく責任が我々世代にあろうと存じます。
そういった意味では、マーケットとか、またほかの国際社会からの信認というものを確保していくためにも、私どもは、財政はきちんと立て直していくんですということをきちんと示しておく、そういった姿勢というものが必要だろうと思っておりますので、私どもとしては、一〇%というものを着実に実施していく必要があろうと考えております。
○梅村委員 国民の反対の声については認識していらっしゃるということでよろしいですね。
そして、今、御発言の中では、落ち込んだ消費は、一時期すごく落ち込んだけれども少し上向きになってきているんじゃないかというようなお答えだったかと思うんですけれども、私はきょうは、そうではないということをぜひ国民の暮らしから訴えさせていただきたいというふうに思っております。
一昨年八%に上がってから、麻生大臣のところには具体的にどのような暮らしの声が届いているかというふうに思うわけですけれども、私自身のもとにはやはり、食事とお風呂の回数を減らしただとか、職につけない上に増税で、子供の誕生日にさえもケーキを買ってやれないとか、消費税が月に二万一千円となって年間二十万円以上になるようになっただとか、もう命の限界だ、一〇%に上げることは死ねということなのか、そういう声というようなのは増税直後だけじゃなくて今も届いてきております。
厚労省の国民生活基礎調査でも、生活が苦しいと答えた人が過去最高の六二・四%になっている。
先日、私、ある団地を訪ねましたら、七十代の男性が、年金がわずかなため暖房をつけずに生活をしている、灯油も、つけていないんですけれども、団地の共同購入よりも近くのガソリンスタンドに買いに行くと二十五円安い、その二十五円のために、自転車で、病気でふらふらになりながらも近くに買いに行っていらっしゃる。
こういう高齢者の方々の暮らしを麻生大臣は御想像できますでしょうか。
○麻生国務大臣 梅村先生、私のところは、選挙区がどういうところか御存じかどうか知りませんけれども、かつて生活保護世帯率日本一です。東京とは全然違うんですよ。私のところは極めて、博多とか福岡とか、全然違います、筑豊というところですから。周りの状況というのは極めて厳しいところにあったというところが私の選挙区だということも御記憶いただければと存じます。
○梅村委員 だから、八%に上げた声というようなのをどんなふうに聞いていらっしゃいますか。わかっているということですか。ぜひ具体的に答えていただけたら。
○麻生国務大臣 皆様からは、税率引き上げによる負担が生活に影響を与えているという声をいろいろいただきます。というのは当然のことであって、同時に私どもは、日本の財政とか子ども・子育て支援に充てるということなどを勘案すればやむを得ない、引き上げるべきという声も聞く。これは両方聞くんですよ、私どものところには。
したがって、軽減税率につきましても、導入するのであれば、事業主への負担軽減をしっかりやってもらいたいという声も聞きます一方に、日々の負担が軽減されることはありがたいという声も、これは両方来るんだ、私どもはそう思っております。
したがいまして、こうしたさまざまな声にしっかり耳を傾けつつ今後とも対応していかねばならぬと思っております。
○梅村委員 麻生大臣が具体的に聞いた声をぜひ伺いたかったと思うんですけれども。
それで、一〇%といえば、千円でお買い物をすれば百円、一万円だと、一割ですから当然千円になるわけですね。これは本当に大きい消費税の金額だというふうに思います。
先日、商店街でお買い物途中の方とお話ししたときに、お財布がぱんぱんだと言うんですよ。どうしてお財布がぱんぱんなのか。お札でぱんぱんではなくて、今は皆さん、ポイントカードでお財布の中がぱんぱんなわけですよ。百円買ったら一ポイント、それをお財布の中に十枚、二十枚入れていらっしゃる。
その女性の方がおっしゃっていましたけれども、もし一〇%にまた上がったらこんなポイントカードはすぐに全部吹っ飛んじゃう、そういうことを知っているのかと大臣にぜひ聞いてみてくれというふうに言われたんですけれども、そういうお買い物とかはしたことがあられますでしょうか。
○麻生国務大臣 ポイントカードを使って買い物をしたという意味ですか、そういう意味。
そうしている人がいっぱいいるということは知っています。そういうところに住んでおりますので。
○梅村委員 知っていることについての感想というのはどうですか。そういう方々の苦しみ、増税された痛み、そういうことについてはどういうふうにお考えですか。
○麻生国務大臣 梅村先生、これも先ほどお答え申し上げましたように、これは両方声がありますので、ぱんぱんになっている方もいらっしゃるということは事実です。
ポイントカードだって、今、いろいろな業者が、クレジットカード以外にもいっぱい出ておりますので、デパートの商品券がえらく売れてみたりなんかする背景もそれというのもよく知っておりますので、そういった意味では、その声もありますし、同時に、これはもう将来のために、今やらなくてやれるときはないという声もありますので、これは両方来ているということであります。
○梅村委員 やはりそういう痛みがあるということだというふうに思うんですけれども、振り返ってみると、消費税は、一九八九年に三%で入れられ、九七年に五%、二〇一四年に八%、そして来年、二〇一七年から一〇%にしようということですけれども、この三年の間に二度にわたって、しかも税率を五から一〇に二倍加している、こういう内閣はかつてなかったというふうに思うんですね。そういう史上最高の消費税の負担増を国民の皆さんにお願いする内閣だという、そういう自覚、御認識はあられますでしょうか。
○麻生国務大臣 消費税率というものを導入された竹下先生にしても、その後上げられた方々も、いずれも退陣をしておられますので、二回上げたら退陣は間違いないだろうなと、自分でそう聞かされて二回目の大臣を引き受けさせられましたので、よくわかっております。
○梅村委員 では、五%から一〇%への負担増額は幾らになりますでしょうか。五%から一〇%への消費税の引き上げ額ですね、国民の皆さんにお願いする金額は幾らになりますでしょうか。
○麻生国務大臣 消費税率を五%から一〇%へ引き上げた場合の増収見込み額につきましては、二十七年度の予算におけます一%当たりの消費税収をもとに機械的に試算をいたしますと、十四兆円という程度になります。
この額から消費税の軽減税率制度の導入による消費税の減収見込み額約一兆円程度を差し引きますと、増収見込み額は十三兆円ということになろうかと存じます。
○梅村委員 実に十三兆円なんですね。これまで、消費税三%のときは七・二兆円、五%アップでは五兆円。ですから、それに対しても、二倍以上の十三兆円をたった三年間で一気に国民にお願いするというのは、私は、これはすごい大増税内閣であるというふうにきょうは訴えさせていただきたいというふうに思います。
それで、今一番誰が困っているのか、誰がいじめられているのか、そういうことでございますけれども、きょう、資料の中に、三のところになりますけれども、子供の貧困が、今、一六・三、六人に一人、シングルマザーの貧困率も五四%になってきているわけですけれども、母子家庭の家計状況が今どんなふうになっているのか、これをお答えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○会田政府参考人 平成二十六年全国消費実態調査における、二人以上の世帯のうち勤労者世帯で、母子世帯の一世帯当たり一カ月の家計収支の状況は、可処分所得が十八万九千五百二十円、消費支出が十九万四百六十四円となっており、この差額であるいわゆる赤字額は九百四十四円となっております。
○梅村委員 今貧困が広がっている、子供たちが大変だという中で、既に政府の調査でも、この実収入は二十一万五千四百五十八円ですけれども、非消費支出を除いて、自由に家計で使えるお金、この可処分所得が十八万九千五百二十円ですけれども、それよりも、生活していくのに必要なお金、消費支出が十九万四百六十四円ですから、今の段階でももう赤字九百四十四円になっている。
この結果は非常に重大だと思うんですけれども、どのような認識でしょうか。厚労大臣に伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右をされるというようなことはあってはならないということで、今御指摘のとおり、一人親家庭は経済的にもさまざまな困難を抱えているということを我々も認識をしながら、きめ細かな支援が必要であるというふうに認識をしながら、年末に、ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトというのを発表いたしましたが、特に経済的に厳しい一人親家庭に重点を置いて、児童扶養手当の第二子以降の加算額を増額するとともに、例えば、自治体の相談窓口のワンストップ化の推進、つまり、行政にメニューはいろいろあるけれどもなかなか使えないというようなこともございましたので、そういうこともワンストップで見られるように。放課後児童クラブなどの終了後に学習支援などを行うことが可能な居場所づくりの推進も、先ほど別な方の御質問でも御説明申し上げました。
それから、就職に有利な資格の取得を促進して、その給付金の充実とか、あるいは貸付事業の創設をいたしまして、何しろ自立をするということがやはり生活の糧を多く得られるようになるということで、そこのところのバックアップをしていかなければいけないなというふうに考えております。
一人親の家庭への保育料の軽減も、今回さらに踏み込んでやらせていただいて、そのコストが負担にならないように、つまり、現物の給付というものもあるわけであり、これはなかなか相対的貧困率とかそういうところではあらわれないものですから、そういうところもしっかりやっていきたいというふうに考えております。
いずれにしても、一人親家庭の自立の促進をしっかりと全面バックアップをして、子供の貧困が解消されるような方向に向けていきたいと思います。
○梅村委員 極めて一般的な御返答だと思うんですね。
私がお伺いしたのは、今の時点で家計が九百四十四円の赤字になっているではないかと。そして、今、二人目、三人目の御支援ということをおっしゃいましたけれども、母子家庭というのは一人子供さんという家庭も大変多くあられます。そして、ここに一〇%の消費税が本当にかぶさってくれば、今やられている施策も非常に必要ですけれども、経済的にもう暮らしていけない、こういう声が多くなっているのではないでしょうか。
私は何人かのシングルマザーの方からお話を伺いましたけれども、あるシングルマザーは、夫がリストラに遭って、DVや子供への虐待が始まって、離婚をし、調停中は一日百円で一家六人が食べていたというふうにおっしゃっておりました。
また、別のシングルマザーにお話を伺うと、介護の仕事で、月、手取り十六万から二十万円もらっていたけれども、日をまたぐ残業もあり、子供と朝しか会えない生活は限界だと時給八百八十五円のパートに切りかえる、食費は一万円の予算で、小麦粉があったら何とかなる感じ、野菜も緑の多いものは買えず、もやし、キャベツぐらいで、トマトは生のものを買ったことがない、缶詰でずっと暮らしている、何カ月前、水道がとまったときは、トイレ用の水を近くの公園にまでくみに行ったそうで、やはり水光熱費が払えない、トイレの水が流せない、それを近くの公園に行って水をくんできてトイレを流す。
こういう必死の暮らしが今御紹介した家計調査の赤字にあらわれている。数字の裏にどんな母子世帯の暮らしが内包されているのか、それをよく想像していただきたいというふうに思っているんです。
ですから、その上に、もし消費税を増税したら、一体誰がそれは賄っていくんですか、母子世帯の皆さんの。どうやってこの一〇%を。
きょうの資料でありますけれども、次の資料の四枚目のところに、五%から八%、八%から一〇%という負担額、これも財務省の提出資料より作成させていただきました。この資料の家計ですと、大体、真ん中の棒グラフになると思いますけれども、五%から八%で既に五万三千五百九十一円。もし一〇%になれば、軽減をしたとしても、この暮らしに年二万四千四十六円ですから、月にしたら二千円ぐらい、今でも赤字なのに、さらに負担がかぶさっていく。
先ほどやられた施策でこういうものが十分賄えるというんですか。この施策、消費税というのは、目の前にお金がなかったら買えないわけですよ。経済的な支援を一番求めているわけですね。一体、こういう増税をこういう母子家庭にかぶせていいのかどうか、どうやって暮らしていくのか。このことを財務大臣から御答弁いただきたいと思います。
○麻生国務大臣 総務省からの説明もありましたとおり、平成二十六年度の全国消費実態調査によりますと、いわゆる可処分所得と消費支出というものが、九百四十四円という数字が出ておりましたけれども、可処分所得の方が少なくなるんだということは私どもも承知をいたしております。こうした厳しい状況に置かれております母子世帯の方々への配慮が必要だというのは、我々も当然認識をいたしております。
一方で、こうした方への対応につきましては、税制で一律にというのではなくて、いわゆる予算上の支援というものをもう少し絞って行っていくことの方が効果的なのではないかとも考えております。
先ほど、厚生労働省等々で、昨年の十二月、ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトというものに沿われていろいろ一人親世帯の支援をすることで、第二子からの話は御存じのとおりですし、幼児教育の無償化の段階的推進等々そういったもの、奨学金の充実を図る等々、また、一人親の就職支援貸付事業創設などの支援を総合的に行うということにさせていただいております。そういった意味で、一人親家庭が自立できるように支援することが重要だと考えております。
また、この消費税率の引き上げというものを考えたときに、これは、歳入面だけ見れば国民各層に幅広く御負担をお願いすることにはなりますが、他方、歳出面で見れば、ふえました増収分は全額が社会保障の充実、安定化に充てられるということもあわせて考えておく必要があろうかと考えております。
子育て支援の充実とか、所得の低い方々へ国民健康保険の保険料の軽減を拡充するとか、そういった意味でいろいろな策を講じておるところでもありますので、所得の再配分にもつながるものではないかというように考えておるところでもあります。
○梅村委員 そういう暮らしの中で、やはり今消費が冷え込んで、今も足を引っ張っているというふうにおっしゃっているのではないかなというふうに思います。
それで、消費を本当に冷え込まさずに引き上げていくためにも、私は、消費税の一〇%はきっぱりと中止をすべきだということをきょう訴えさせていただきたいと思います。そのことを、ぜひこの二十六年間も振り返って考えていただきたいというふうに思います。
きょう、一枚目に、消費税が導入されるときに、当時の竹下首相が、消費税の六つの懸念ということで言われ、逆進性の問題、低所得者の問題、そして今議論がありました事業者の事務負担の問題、そして安易に消費税が引き上げられていくのではないか、こういう問題を、懸念を表明され、国民に対して、こういうのを解消していくんだということをお約束されたのではないかなというふうに思います。
振り返って、こういう懸念というのは今解消されているかどうか、お答え願いたいと思います。
○麻生国務大臣 この導入に当たりまして、当時、竹下総理大臣の方から、一、逆進的な税体系となって所得再配分機能が弱まるのではないか、二、中堅所得者の税の不公平感が増すのではないか、三、所得税のかからない人たちへの過重な負担を強いるのではないか、四、痛税感が少ないので税率引き上げが容易にされるのではないか、五、新税の導入により事業者の事務負担が極端に重くなるのではないか、六、物価を引き上げ、インフレが避けられないのではないかといった六つの懸念が示されたと承知をいたしております。
この中で、六のインフレが避けられないといった点は、今日的には余り当てはまってはいないと思います。また、四の税率引き上げが容易になるといった点も、共産党とは意見が違うのかもしれませんけれども、例えば、先般の税と社会保障との一体改革の法案につきましても、自公民の三党間での了解、丁寧な議論等々、国会における御議論が行われたものでありまして、安易に税率を引き上げているとは思っておりません。
一方で、逆進性、不公平感、低所得者への配慮という点については、引き続き配慮が求められているものと私どもも承知をいたしております。
この点につきましては、政府としては、社会保障と税の一体改革によります消費税率引き上げの増収分は全額社会保障の充実、安定化に充てるということで、所得の低い方々に配慮するとともに、また所得再分配につながるものであること、その上で、消費税のいわゆる逆進性を緩和するために軽減税率を導入すること、また、安倍内閣において、格差の固定化を防止する、防ぐという観点から、再分配機能の回復を図るため、高所得者に対する個人所得課税というものの見直しを行ってきたなど、低所得者の方々への負担や公平感などにも配慮しつつ、制度改革を進めてきたところであります。
また、五に当たります事業者の事務負担につきましては、軽減税率制度の導入に当たり混乱というものが生じないように、万全の準備を進めていくために必要な体制をいろいろやらせていただき、事業者の準備状況も検証させていただきながら、円滑な導入及びその運用に向けて対応を行っていきたいと思っております。
いずれにいたしましても、社会保障と税の一体改革の実施に当たりましては、これは何といっても国民の皆様に、今申し上げたような点も踏まえて御理解いただけるように、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
○梅村委員 二十六年たっても、やはり懸念は解消されていないし、一番の消費税の大問題である逆進性、これもさらに大きくなってきているということが、今の答弁でも確認されたというふうに思います。
それで、社会保障との関係も、きょうは時間の関係で十分言えませんけれども、きょうの資料の二で、消費税の導入の前と今と、ではよくなってきたのかということでいえば、サラリーマンの窓口負担も一割から三割、高齢者の窓口負担も定額八百円から今は一割、二割または三割、国民健康保険料も五万六千三百七十二円から九万三千二百三円。こういうような改悪が続けられてきたのではないかというふうに思います。
ですから、国民の中では、消費税は社会保障のためだ、持続可能な将来の社会保障のためだというふうに幾ら説明されても、この二十六年間、改悪の歴史だったわけですから、納得できない。しかも、皆さん、消費税、この二十六年間納められたお金は幾らか、三百四兆円なんですよ。このお金があれば、幾ら高齢化社会で社会保障にお金が要るといっても、もう少し国民に実感が湧くような社会保障の充実があっていいのではないか、どこか違うところに使われちゃっているんじゃないか。
こういうのが、国民の皆さんの今の消費税への怒り、冒頭でも御紹介したように、六割、七割の皆さんが今一〇%に反対しているわけですから、しっかりとこの声を聞いていただきたいということを訴えまして、私の質問といたします。
ー配布資料ー