義務教育未修了者の学習権保障のための法律制定をめざす超党派の「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」(会長・馳浩衆院議員)の各党国会議員13人が6月9日夜、埼玉県川口市で開設されている「川口自主夜間中学」を視察しました。授業を見学し、生徒やボランティアのスタッフ、埼玉県出身卒業生らと懇談しました。
埼玉県には公立夜間中学がありません。1985年に発足した「埼玉に夜間中学を作る会」代表の野川義秋さんは「発足3カ月後に『川口自主夜間中学』を開設し、それから30年です」と紹介しました。
授業は週2回公民館などで行われ、生徒は合わせて40~50人。スタッフは約20人で、日本語や教科学習などがあり、学費は無料です。
「川口自主夜間中学」代表の金子和夫さんは、▽学校を会場に使用させてほしい▽スタッフ(教える人)を増やすために行政の広報を▽教科書や教材の支援を―などを訴えました。
この日の授業で、保育士になるための勉強をしていた女性(29)が懇談で発言。「母と一緒に中国から日本にきました。妹はこの夜間中学で学んで、高校受験に合格しました。私は3年目に入り、あと少しで保育士の国家資格がとれそうです」と話しました。
東京都内の公立夜間中学で学び、いまは教員をしているという埼玉県出身の女性は、不登校になった小・中学時代の自身の体験にふれながら、各県に公立夜間中学の必要性を語りました。
日本共産党からは同議連の畑野君枝、梅村さえこ両衆院議員が参加し、紹介されました。村岡正嗣埼玉県議、板橋博美、今井初枝、金子幸弘の各川口市議、久保美樹さいたま市議が参加しました。
【「しんぶん赤旗」2015年6月11日付】