日本共産党の志位和夫委員長と来日したフランス共産党のピエール・ロラン全国書記(党首)との会談が8月4日、党本部でおこなわれました。両党党首の本格的な会談は39年ぶり。両氏は、国連憲章にもとづく平和の国際秩序、軍事同盟反対、核兵器廃絶、民主的な国際経済秩序の確立、地球温暖化対策など、共通する国際課題で両党が協力と連帯を発展させることを確認しました。
志位氏は「代表団の訪問を心から歓迎します」とあいさつ。
ロラン氏は「日本社会で日本共産党は大変重要な位置を占めており、会談を重視しています」と述べ、フランスの情勢とたたかいについてのべました。
同氏は、フランスでは、2012年の大統領選挙で社会党のオランド氏が右派の前大統領を破り当選したものの、新政権が新自由主義的な政策をすすめ、経済と社会の危機を深めていると指摘。一方で、人々の幻滅、不満を利用し極右勢力が伸びているとのべました。
その中でフランス共産党は、金融資本の横暴を抑え、社会保障と国民生活を守ることをはじめ、平和、民主主義、連帯、環境などの課題で新しい人民戦線「左翼戦線」をつくり、前進をはかっています。また、フランスの北大西洋条約機構(NATO)からの脱退とNATO解体を主張しています。
またロラン氏は、同氏が議長をつとめる欧州左翼党(20カ国、27党が参加)が、EU全体の民主的変革をめざす「新欧州プロジェクト」をかかげたたかっているとのべました。
志位氏はロラン氏の説明に感謝し、「ともに発達した資本主義国で活動する共産党として、共通点があります」と指摘し、日本共産党の綱領路線と歴史、現在の活動についてのべました。
志位氏は、異常な対米従属と大企業の横暴な支配という日本社会の「二つの異常」とその民主的な変革をめざす取り組みを説明。さらに、安倍政権による憲法9条破壊の企てを批判し、「海外で戦争をする国」づくりを、それに反対するもっとも広範な人々とともに阻止したいとのべました。
党勢倍加と世代的継承という課題を達成し、来年の参院選で躍進し、21世紀の早い時期の民主連合政府の実現をめざすと表明しました。
また福島原発事故にふれ、原発事故の「異質の危険」、事故後4年半たっても多くの住民が故郷に戻れない現状をのべ、再稼働反対、即時原発ゼロを求めてたたかっていると強調しました。
さらに志位氏とロラン氏は、一連の国際的な課題についての両党間の連帯と協力について合意しました。
最後に志位氏は、日本共産党が、旧ソ連共産党の覇権主義とたたかうなかで確立した「自主独立」の立場が党の綱領路線の根本にあることを、歴史的に振り返りながら話しました。
志位氏が「今回、多くの課題で連帯と協力が確認でき大変うれしい」とのべると、ロラン氏は、「新しい形の国際連帯と協力が必要です」と応じました。
同日夜、志位氏は都内で歓迎夕食会を催しました。
フランス共産党の一行はこの後、広島、長崎を訪れ、6日、9日の両市主催式典、原水爆禁止世界大会に参加し、日本共産党の地方議員団とも交流し、10日帰国します。
【「しんぶん赤旗」2015年8月6日付】