政府が検討する消費者庁などの地方移転について、消費者行政の充実強化の観点から中止を求める集会が14日、国会内で開かれました。全国消費者団体連絡会(全国消団連)が主催し、120人が参加しました。
政府は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」施策の一つとして消費者庁、消費者委員会、国民生活センターの徳島県への移転を検討し、3月には基本方針を示すとしています。
集会では、消費者庁創設(2009年)にかかわった各氏が発言。元消費者行政推進会議委員の阪田雅裕さん(元内閣法制局長官)は、「消費者庁は、消費者行政の司令塔として発足した。その仕事には、省庁間のコミュニュケーションが欠かせない。霞が関から切り離すのは「暴挙」に等しい」と指摘しました。
全国消団連によると13日現在、27の消費者団体、日本弁護士連合会など12弁護士会、日本司法書士会連合会が反対を表明しています。集会では「地方移転によって消費者被害事故など緊急対応も難しくなる」(主婦連合会)、「事業者への指導は対面が重要。独自に反対署名を始めた」(全国消費生活相談員協会)などの発言がありました。参加者は「地方移転は行うべきではない」との集会アピールを確認しました。
日本共産党の梅村さえこ、清水忠史両衆院議員、自民、公明、民主の各党国会議員が参加しました。
【「しんぶん赤旗」2016年1月15日付】