鬼怒(きぬ)川の堤防による水害で大きな被害を受けた茨城県常総市の被災者らが29日、「水害は人災だ」として、国に対し被害補償を求める交渉をしました。交渉したのは「常総市水害・被害者の会」の約50人。早朝から貸し切りバスで駆けつけました。
昨年9月10日の水害では、大規模太陽光発電所の建設を理由に同年3月掘削された同市若宮戸地区の自然堤防から越水し、市街地に甚大な被害が発生しました。
同会代表世話人で自宅が全壊した逆井(さかさい)正夫さん(67)=若宮戸地区=は同年3月に「自然堤防を削るな。洪水が来たらどうする」と、国交省に対して危険性を訴えたにもかかわらず、同省は150メートルにわたる掘削箇所に土のうを積むだけだったと批判。
参加者からは「国は河川管理責任を直視し、国民の生命と財産を守れ」「全国でも住民の声が無視されているのではないか」と怒りの声が続出しました。
国土交通省の担当者は「今回の若宮戸は当然水位が上がってくれば水に浸かる」と述べ、「整備するべく調査を始めていたところだった」と繰り返しました。
同会は内閣府や農水省に、被災住宅再建の支援強化、収穫後に浸水した米の補償の拡充なども求めました。
日本共産党茨城県議団、党常総市議団が参加し、塩川鉄也、梅村さえこ両衆院議員、紙智子参院議員、小林きょう子・参院茨城選挙区候補、おくだ智子参院比例候補、自民党国会議員秘書が同席しました。
【「しんぶん赤旗」2016年1月30日付】