梅村さえこ-日本共産党党中央委委員・子どもの権利委員会副責任者
くらし・税・TPP

消防力整備、財政措置の拡充ぜひ 衆院総務委 梅村氏求める

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  日本共産党の梅村さえこ議員は5日の衆院総務委員会で、国の推進する「消防の広域化」の中で市町村の消防力整備が置き去りにされている実態をとりあげ、財政措置の拡充を求めました。

 梅村氏は、2003年度~15年度に各消防車両が減り、消防ポンプ車は1300台の大幅減となっているものの、整備率が上がっていると指摘。こうした中、火災の知覚から放水開始までの時間や、救急車の現場到着平均時間が長くなっているとの消防白書の数字を示し、「広域化で消防強化とは逆の事態が起きている。実態調査が必要だ」と求めました。西藤公司消防庁次長は、「(時間が長くなっている実例が)増えている。分析し必要な対応をしたい」と答えました。

 梅村氏は、消防職員の整備率も77・4%(15年)と大きく不足しているとして、「人員確保は待ったなしの問題」と指摘しました。高市早苗総務相が「財政措置を含め、職員確保へ支援、助言していく」と答えたのに対し、補助金が減っていることや一般財源化した問題を指摘しました。

 梅村氏は「広域化の押しつけがあってはならない」と述べ、西藤次長は「(法律で)自主的な市町村の広域化を推進するとしている」と答弁しました。

 梅村氏は、消防で暴力・パワハラが続いていることを告発。「繰り返されることがないよう再発防止を」と求めました。高市氏も「断じて許されない。あってはならない」と述べました。

【「しんぶん赤旗」2016年4月8日付】

 

ー会議録ー○梅村委員 日本共産党の梅村さえこです。

 本日は、消防力の強化について質問したいと思います。

 消防庁は、消防力の整備指針として、消防職員、消防自動車、消防署など、人員や消防機材などの基準を定めています。

 市町村の整備計画に基づく消防ポンプ自動車、救急車、消防職員の数の整備状況の推移の資料を総務省の方からいただきました。きょう、配付資料で配らせていただいております。

 これを見ますと、消防ポンプ自動車は、二〇〇三年、平成十五年度の調査では二万二千三百二台に対し、二〇一五年、平成二十七年では二万一千二台で、千三百台減ってきております。はしご自動車も、同じく、比較して、千二百六十四台から千百七十五台に減っております。同じく、消防自動車関係の化学消防車や救助工作車も減っております。

 しかし、実数は減っているのに、整備率を見ていただきますと、例えばポンプ自動車は九五・五%から九八・九%とふえております。その他の消防車両も、数は減っているのに整備率は上がっている。また、救急自動車は、ふえておりますけれども整備率は九四・三%。そして、やはり一番、一つ問題なのは、消防職員、二〇一五年、平成二十七年調査では整備率が七七・四ということで、およそ四人から五人に一人が足りないというような数字かと思いますけれども、このような数字で間違いがないかどうか、確認させていただきたいと思います。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 今議員の方から御指摘されました状況で間違いございませんが、消防ポンプ自動車と救急自動車については、整備率が九割を超えて推移しており高推移となっておりますが、消防職員数については、消防本部によっては想定以上の兼務や乗りかえ運用などを行っていることから、平成二十七年度調査で七七・四%の水準にとどまっているという状況でございます。

梅村委員 そこで、幾つか伺いたいと思いますけれども、特に消防車両については、実数が下がっているのに整備率が上がってきている。どうしてこのような現象がこの間起こっているのか、お答え願いたいと思います。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 まず、消防ポンプ自動車について申し上げますと、前回の平成二十四年度調査と比較いたしますと、消防署所が管理するものは、近年、市街地等の面積や人口が減少していることから、算定数、整備数とも減少しているという状況でございます。

 また、消防団が管理するものについても、地域の実情に応じて、消防ポンプ自動車にかえて小型動力ポンプを整備することとする市町村が増加しておりまして、消防ポンプ自動車の算定数、整備数とも減少しているということでございます。

 このことから、全体として、算定数、整備数とも減少しておりますが、整備率としては高水準を維持しているという状況でございます。

梅村委員 この数字は、確認したいと思いますけれども、国の指針に基づいて市町村が立てた整備計画の数だというふうに事前のレクチャーで伺っております。やはり、地域の実情ということですけれども、市町村が立てた目標との関係でまだ一〇〇%にいっていないという問題が一つあると思いますし、また、この間広域化が進められてきているわけですけれども、やはり広域化のもとでの数のトリックといいますか、この影響も一つあるのではないかと思うわけです。

 消防力の整備指針を見てみますと、例えば、五万人規模の自治体の場合、四台の消防ポンプ自動車の保有が必要になる、三十万人以上では十四台必要になりますけれども、もし五万人規模の自治体が六つあるとすれば、六掛ける四台で二十四台の消防自動車が必要、これが、広域化で三十万人の規模の新たな消防本部を結成した途端に十四台で基準を満たすことになる。こういったことも、コスト削減も含めて議論がされてきたかというふうに思います。

 住民の命と暮らしを守るという消防の強化においては、これはやはりふさわしくないやり方であり、少なくとも自治体が持った目標については、人員に比べたら消防車はまだ九割だから高いというような比べ方ではなくて、必要だから目標を持っているんだと思いますので、やはりそこに向けた努力が緊急に求められているのではないかなというふうに思います。

 そこで、この数との関係もあると思うんですけれども、次の資料を見ていただきたいと思うんです。建物火災の放水開始時間ですね。二枚目ではなくてさっきの表の下なんですけれども、覚知から放水開始までの時間なんです。

 広域化で機動的な消火力、消防力の強化が行われている、行われている、駆けつける時間が短くなっている、短くなっているということで、いろいろパンフレットなんかを見るとそういうことを書かれているわけですけれども、しかし、この表を見ていただくと、五分以内の消火開始が、消防白書に基づくと、二〇〇三年には二八%だったのが二〇一五年には八・七%ということで、急落しているんですね。五分以内だけではなくて、五分を超え十分以内も、二〇〇三年と二〇一五年を比べると、五三%から四八%へと落ちている。これは消防白書に書いてあることなんですね。

 救急自動車も、現場到着時間の平均時間は、二〇〇三年白書では六・三分だったのが、二〇一五年白書では八・六分。病院収容までの時間も、二十八・八分から三十九・四分と長くなっております。

 病院に運ぶときは、病院の受け入れ態勢の問題ももちろんありますので、消防側というか運ぶ側だけの問題ではないと思います。ただ、消火について、五分以内というのが基準の一つと言われていたものが、二八から八・七、そして救急車も、六・三分で駆けつけていたのが八・六分ということで延びている。

 やはりこれは、強化、強化、広域化で特にそういうことを機動的にやるんだと言ってこられながら、ちょっと逆の事態が、ちょっとではないと思うんです、重大な逆の事態が起こっていると思うんですけれども、ここら辺の原因はどのように分析していらっしゃいますでしょうか。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 この資料を見ますと、明らかに、五分以内が二八・〇から八・七%ということで、シェアから見ると大幅に減っているように思われますが、そもそも火災件数自体が、一万八千七百件から一万一千九百件と大幅に減っております。

 特に、これが五分以内あるいは十分以内のところで大幅に減っておりますが、これは、私ども想定されるのは、特に大都市部あるいは都市部において、木造から不燃化とか、あるいはスプリンクラーの整備とか自動火災報知機、こういう整備をすることによって、そもそも火災の発生件数が減っているということもあり、シェアとしては大幅に減っているということもあるのではないかというふうに考えております。

梅村委員 それは、シェアが減っているということではお答えにはなっていないというふうに思います。

 火災は減っているんですけれども、この消防白書にもありますけれども、放水までが長くなっている、こういう調査結果もあるわけであり、火災には、一件、二件でもやはりすぐに、なるべく短い時間で行くということですから、全体の件数が減っているからというようなお答えは、やはりふさわしくないのではないかなというふうに思います。

 私は、この部分で、しっかりと広域化も含め、時間が非常にひどくなってきているという問題を、実情も含めてやはり実態調査が必要なのではないかというふうに思います。これは消防白書の中にある数字ですので、よく広域化のときには時間が短くなったということを実際には言っていらっしゃるわけですよね。しかし、なぜ全体としてはこのような実態があるのかということを、やはりもう少し実情調査が必要ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 今、そのシェアだけで問題視するのではなくて、特に二八から八・七というところのシェアだけを見ますと、かなり短いところが減っているような印象を受けられるかもしれませんが、それは、先ほど申し上げましたような不燃化とか消防設備の向上といったこともあるので、件数自体が大幅に減っている。

 一方で、委員御指摘のとおり、十分を超えるものについては絶対数そのものがふえているということは言えると思いますので、これにつきましては、私どもとしてもさらに分析をしつつ、必要な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

梅村委員 大変重要な点なので、ぜひ、実態調査も含めて、分析、対策を打っていただきたいなというふうに思います。

 同時に、この点で思いますのは、この間、広域化の推進をかなりされてきたと思うんですけれども、そもそも市町村の消防力を強化していくという点、この点では少し、こういう点も含めて置き去りにされてきた面もあるのではないのかなというふうにも思います。

 それで、やはり決定的なことは、マンパワーの不足だというふうに思います。消防車や救急車があっても乗る人がいない、こういう悲鳴が特に上がってきているというふうに思います。特にマンパワーの不足は、七割台の整備率から見ても、人員確保の問題は待ったなしだというふうに思います。

 この点で、実は二〇〇七年のときに、私どもの佐々木憲昭衆議院議員が質問主意書を出させていただきました。ずっと人員がこれぐらいでとどまっているという問題は、もうずっと続いてきているわけです。今始まった問題ではないと思います。

 このときに、なぜ人員の率がこれぐらいにとどまっているのかという答弁書においては、「各市町村における厳しい財政状況や行政改革に基づく定員管理等により、大幅な消防職員の増加が困難なことによるものと考えている。」という答弁書も、もう既に六年、七年前ですけれども、あるわけですね。

 厳しい財政状況、そして行政改革による定員管理等、この問題が指摘されてきているわけですけれども、こういう問題に本来メスを入れてこなければ地域の消防力の強化にならないというふうに思うんですけれども、この点での改善がこの間図られてきたのかどうか、また人員の問題についてどのようにお考えなのか、総務大臣にお願いしたいと思います。

高市国務大臣 地方公務員数は全体では大きく減少していますけれども、消防職員数については一貫して増加傾向にございます。

 ただ、消防力の整備指針に基づく消防職員の整備率は、前回の調査時の七六・五%に比べ〇・九ポイントは増加しているものの、七七・四%にとどまっています。

 消防庁では、昨年度の調査から新たに消防本部ごとの数値を公表することによりまして、各市町村において、必要な人員の確保を含めた消防施設、人員の整備率向上に向けた議論の活発化を期待しております。

 また、緊急消防援助隊につきましては、平成三十年度末までに六千隊へと大幅に増隊するということにしておりまして、その登録に際しましては、消防力の整備指針を踏まえた必要な人員の確保を強く要請いたしております。

 このような取り組みもあわせて、各市町村が消防力を確保できますように、地方財政措置を含めて必要な支援や助言を行うことによりまして、消防職員の確保を行うということにさらに一層努めてまいります。

梅村委員 それで、こういう質問をするとそういうお答えが返ってくるんですけれども、そもそも、整備計画、やはり一〇〇%やっていく目標とされているのか、これはやるということなのか、そこら辺を確認させていただきたいと思います。

西藤政府参考人 整備の指針につきましては、私ども、人口とか市街地面積とかなどを想定しながら、一応客観的な基準を示しておりますが、それにプラス地域のそれぞれの事情を踏まえて、それぞれ消防本部ごとに設定をしていただいておりますので、基本的には、設定された目標に向けて努力していただきたいというふうに考えております。

梅村委員 そして、そういう人員だとか、また体制の強化、設備の強化という点では、きょうの資料の二枚目に、さまざまな補助金などの推移を、これも消防庁の方から出していただきました。

 平成十六年と現在、平成二十八年を比べた場合に、実に三分の一ぐらいに落ちてきております。特に、これはレクチャーを受けますと、平成十八年のときからは一般財源化しているのでというようなことではありますけれども、さまざまな整備補助金だとかを含めて百八十九億三千万円だったのが、三分の一ぐらいに激変してきているというのがあるというふうに思います。

 ですから、先ほど政府の答弁書でも、既に国の財政で、今保育園なんかもなぜ減っているのかというのは、やはり一般財源化してから市町村がなかなか財政が厳しいので、一般財源で地方には渡しているというふうに国の方からはよく答弁をいただくんですけれども、そういう実態にはなかなか地方ではなってきていない。

 消防というのは、学校教育とも並んで、しっかりと予算も本来だったら分けて、地域の住民の皆さんの生命や安全を守っていく。やはり一般財源化でここら辺は落ちてきているし、そもそも補助金そのものが三分の一になってきているということで、どうして、地震が多い、災害が多いこの日本で住民の命と健康が守れるのかというふうに思いますけれども、この点の財政的な推移についての御見解をお願いしたいと思います。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 平成十六年で百八十九億円とおっしゃられて、このときは補正などがありましたので、その補正の金額だけございますが、十六年、十七年度は確かに百三十億と百五十億円の当初予算がございましたが、この資料にもありますように、消防防災設備整備補助金が一般財源化によりましてその分の補助金がなくなっているということでありますが、かわりに、それについては地方債の制度とか地方交付税の方に、基準財政需要額に積むなどというふうなことで、一般財源化対応というふうに措置をさせていただいているということでございます。

梅村委員 やはり、どれをもっても一〇〇%までまだ、これは市町村が立てた目標との関係での整備率という表になっていると思います。やはりそのネックが一番財政問題だということが現場から上がっているわけですから、東日本大震災そして台風、最近も大変な被害に遭ってきている経過もありますので、ぜひ、これは財政的な強化をして、しっかりと地域の消防力の強化、体制の強化をしていただきたいということを強く訴えておきたいと思います。

 それで、次に、この点にもかかわって、広域化の問題についても少し確認をさせていただきたいというふうに思います。

 現在、広域化については、どのような到達で、これからどのようにされていくのか、お伺いしたいと思います。

西藤政府参考人 お答え申し上げます。

 消防の広域化につきましては、平成十八年の消防組織法の改正以降、四十八地域で広域化を実施するなど一定の成果が上がっております。この四月一日でも八地域において広域化が実施されております。

 一方で、人口十万人未満の小規模消防本部がいまだ全体の六割を占めているという状況であります。なお推進を図らなければならない課題というふうに認識をいたしております。

 消防庁におきましては、その取り組みの基本指針を定めまして、その中におきまして、広域化の推進期限である平成三十年四月一日に向け、都道府県に対し消防広域化重点地域のさらなる指定を促すとともに、指定された重点地域への集中的な支援の実施や、消防広域化アドバイザーの派遣などの取り組みにより、引き続き広域化を着実に推進してまいりたいと考えております。

 今後とも、地方公共団体や消防本部にきめ細やかな情報提供や相談、助言などを行うことにより、広域化を着実に推進してまいりたいというふうに考えております。

梅村委員 ただ、広域化の推進ということですけれども、本来、基本的には自主的な推進、自主的な取り組みというふうにされていると思うんです。押しつけない、やはり各市町村の自主性を重んじるということで、今のお話だと推進の言葉しかなかったというふうに思うんですけれども、そこら辺の市町村の自主性をきちんと重視されるのかどうかを確認させていただきたいと思います。

西藤政府参考人 お答え申し上げます。

 消防の広域化につきましては、平成十八年の消防組織法改正により盛り込まれましたが、その中に、同法の三十二条におきまして、自主的な広域化を推進することとされております。

 この法律による基本な考え方をベースといたしまして、例えばでございますが、平成二十五年に基本指針を改正した際に設けた消防広域化重点地域の指定については、他の地域よりも先行して国や都道府県における推進するための措置を集中的に実施することで広域化を着実に推進することとしておりますが、この指定に当たりましては、各市町村の事情等を十分に考慮するとともに、各市町村の意見を十分に聴取することとしておりまして、都道府県知事は、これらを尊重し、重点地域の指定などに努めるというふうにもいたしているところでございます。

 重点地域の指定によって市町村の自主性が損なわれるものというふうには考えておりませんが、今後とも、地域の実情に応じた広域化が行われるよう、きめ細やかな情報提供あるいは相談、助言を行うことによりまして、引き続き自主的な広域化の推進に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

梅村委員 地域の消防はやはり地方自治の柱だというふうに思います。最初の答弁の中では、その自主性を重んじるというお言葉は、ちょっと一言もなかったかなというふうに思いますので、しっかりと現場の声、現場の自主性、そして、地域の消防力を高めるために本当にこの選択がいいのかということを、やはり上から押しつけるのではなく、取り組みを気をつけていかなければいけないところだというふうに思います。

 私が住んでいます埼玉県でも、この間、埼玉県の消防広域化推進計画が策定をされて、当初は全県を七ブロックに分けて広域化が進められようとしてきました。しかし、さまざまな問題や課題があって、当初どおりに進んだのは西部のみになっているかというふうに思います。

 それで、昨日、この四月一日に広域組合となったばかりの草加八潮の消防局本部を視察してまいりました。ここは埼玉県が当初規定した第六ブロックに当たるんですけれども、この草加市と八潮のほかに四市一町で構成されていましたけれども、最終的には二市の広域化になったわけです。

 広域化に当たってどんな状況だったのかをお伺いしますと、やはり消防の歴史や実態、あり方が全然違う中で、当初は六市一町だったわけですけれども、二市だけでも、どれぐらいの協議、努力、いろいろな困難の末に今あるのかというお話をさまざま伺ってまいりました。ですので、私は、そういう実態からいっても、最初に広域化ありき、最初に推進ありきではなくて、やはり実情をしっかりとつかみながらやっていっていただきたいというふうに思うわけなんです。

 その上でなんですけれども、いろいろ聞く中で幾つか要望を聞いてまいりましたので、その点で確認をさせていただきたいというふうに思います。

 それで、広域化を進める際に、事務費として当初五百万円ということがあったというふうに思いますけれども、途中からこれが支払われなくなってきている、そのお金が二分の一になってきているということであります。遅く参加したところなんかからは、非常に大変だという声が上がってきているんですけれども、この点はいかがでしょうか。

西藤政府参考人 私どもの方では、消防広域化を進めるためにその準備経費というものがかかるだろうということで、消防広域化の準備に要する広域消防運営計画策定経費でありますとか、広域化協議会負担金、協議会委員報酬、広報誌作成、あるいは住民の意向調査などの経費については、特別交付税措置を講ずるというふうにいたしております。

梅村委員 ですから、それが、前は五百万円出ていたのが今は二分の一になってしまって、持ち出す部分があるということで悲鳴が上がっている地域もあるわけで、そこら辺はぜひ、実情も聞いて、やはり自治体の負担にさせないような、そういう対処をとっていただきたいというふうに思います。

 それと、もう一つ確認させていただきたいのが、今、草加と八潮ですと、草加の方が消防本部が置かれていくことになりますけれども、本部自身が、耐震化の面では非常に脆弱になっていて、建てかえをしなくてはいけないということなんです。本部機能の建てかえについては、この補助金の中の署所の増改築、そして新築なども適用されるのかどうかということを確認させていただきたいと思います。

西藤政府参考人 消防の広域化に対する財政支援でございますが、広域消防運営計画などに基づきまして必要となる消防署所等の増改築でありますとか、あるいは再配置が必要と位置づけられた消防署所等の新築については、緊急防災・減災事業債という地方財政措置を講じております。これは充当率が一〇〇%で、その元利償還金が七割基準財政需要額に算入されるという有利な起債制度でございますので、こういったものを活用していただきたいというふうに考えております。

梅村委員 その草加の消防本部を見ますと、目の前が交通量が非常に多くて、出たくてもすぐになかなか出られないという交通量だとか、あと、狭いですので、着がえもまだ外でやっていますし、訓練もそこでできない。特に仮眠室が、今、個室になっているところがふえてきているということですけれども、ここはまだ大部屋で、二段ベッドで寝ているということで、大変耐震化の面でも、そして拠点となるためにも、やはりそこの抜本的な改善をやっていきたいということで頑張っております。

 その中で、期限が十年ということもあるんでしょうか、その十年が、土地取得も含めてなかなか短いのではないか、都市になると土地を探すのも大変なので、もう少しこの十年ということを延ばしてもらえないかというような要望もありますけれども、この点はいかがでしょうか。

西藤政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもの市町村の消防の広域化に関する基本指針の中で、財政措置を講ずるに当たって、先ほど申し上げました増改築などについては、広域化後十年以内に完了するものと書かせていただいておりますが、これは広域化に当たって整備するという考えで、ある程度、やはり一定の年限の中でやっていただく必要があるだろうと思います。

 そういう意味では、長期という考え方で十年ぐらいの間にしていただきたいということでありますので、かなりそれより長くなってしまいますと通常の増改築との差別化を図るのは難しいんだと思いますので、広域化に伴って行うものという線引きをどこでするかというところで、十年というところを線引きとさせていただいております。

梅村委員 これは広域化にも伴って機能強化をしたいということであり、ただ、都市部においては大変土地を探すのに困っているので、十年で切っているのはどうかという要望ですので、さっき十年ぐらいという話もあったんですけれども、ぜひその点は現場の声も聞いて検討をお願いしたいなというふうに思います。

 それで、ここで訴えたいと思いますのは、広域化についてはこのような財政的な補助や施策がたくさんあるわけです。まだまだそれの改善も図られていきますけれども、やはり全国の市町村自身の財政の拡充、それ自身もぜひお願いしたいなと思います。

 先ほどの御答弁の中で、消防本部ごとに今回拡充率なんかを出したという御答弁が大臣からもありましたけれども、それを見ると、特に地方に行きますと人員の確保が三〇%とか四〇%とか、そういう地域がかなりまだ残っているわけですよね。そこで、合併かどうかというお話もあるのかもしれませんけれども、実際、この間に進めようとして進められてきていない、それが地域の実情としてあるわけですから、やはりそれ待ちとかそういう推進ではなく、広域化だけではなく、しっかりと市町村の消防に対して財政的援助も強めて拡充を図っていただきたいなというふうに思います。

 最後になります。時間がありませんので、最後、確認させていただきたいと思うんですけれども、消防署内でかなりパワハラの問題がこの間大きな社会問題にもなってきております。

 二〇一三年に東京消防庁消防学校の講師らによる研修生への暴行と隠蔽行為、さらに翌年にも、東京消防庁で後輩職員に対し賞味期限切れの温泉卵を無理やり口に押し込んだり、首を絞めるプロレスわざをかけるなどしたとされている。ことしに入っても、千葉県の鎌ケ谷市中央消防署で二十代、三十代の若手職員に対する暴力行為が明らかとなっています。

 以前、通達なんかも出されているというふうに伺っていますけれども、この事態が繰り返されています。住民の命を守る仕事をしていらっしゃる方々の中でこういうパワハラ行為が行われていて、どうして守れるのかということでもあると思います。この点での御答弁をお願いしたいと思います。

高市国務大臣 パワーハラスメントは、職務上の地位や人間関係など職場内の優位性を背景とした暴力行為や、相手の尊厳や人格を侵害する断じて許されない行為で、決してあってはならないと思っております。

 消防庁の取り組みですが、消防本部におけるパワーハラスメント事案を覚知した際に、事案の内容、再発防止対策、当事者に対する懲戒処分等の状況について確認をするということとともに、当該本部に対して再発防止対策の徹底を指導しています。

 そして、消防大学校におきましても、平成二十六年度から新任教官教育などの中で事例研究も交えたハラスメント教育を実施しております。

 また、各都道府県などの消防学校においても、平成二十六年度末に、教育訓練の基準に関する指標を改正して、幹部教育におけるハラスメント教育を明示しました。

 先ほど委員御指摘の暴力事案でございますが、本年二月十七日に、消防本部に対しまして、パワーハラスメント防止の取り組みの強化、それから消防職員の厳正な服務規律の確保の徹底について、通知により要請をいたしました。

 引き続き、消防本部に対して適切に助言を続けてまいります。

梅村委員 消防職員委員会の機能強化や、やはりハラスメントの根絶へは、労働基本権の回復が私は必要ではないかというふうに思います。最後にそのことを強く訴えて、終わりたいと思います。

 

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