参院埼玉選挙区は、4議席を主要7政党(推薦含む)が争う大激戦の様相です。埼玉県の日本共産党は、比例50万票・15%以上を獲得し、梅村さえこ氏(57)の議席を何としても勝ち取ろうと奮闘しています。
2019年から改選数が3から4に増えた同選挙区では、自民党、公明党、国民民主党推薦の前県知事の3現職に加え、梅村氏と、立憲民主党、日本維新の会、れいわ新選組の新人など10人以上が立候補する見込みですが、実質的には有力7政党7候補が4議席を争うかつてない激戦です。梅村氏は「改憲勢力に議席を独占させるわけにはいかない。埼玉から改憲ストップを」と訴えています。
ロシアのウクライナ侵略で、自民党などが軍拡を主張する動きや「ロシアは共産主義」などの共産党攻撃による大逆流がつくられ、埼玉県の共産党は中間選挙で議席を後退させました。一方で、党員・後援会員の奮闘で逆流を押し返し始めています。
5月中旬、県内の駅頭で宣伝した梅村氏は、「プーチン政権の侵略戦争はロシア帝国の大国主義・覇権主義を引き継ぐもの。それとたたかってきたのが日本共産党です」と訴え。すると、通行人から「誤解していた」「共産党かっこいい」などの反応があり、多くの人がビラを受け取りました。
「5月に入ってから対話がしやすくなった」と言うのは、さいたま市岩槻区の党員・佐藤訓子さん(72)です。「市民の暮らしが大変ななか、『軍事費を2倍にして福祉が削られたらとんでもない』という訴えが響くのを感じるし、対話になれば支持につながる。反戦・平和、命と暮らしを守る党の政策に自信を持ち、こちらから攻勢的に訴えるのが大事」と話します。
埼玉の共産党は、この大激戦を勝ち抜くには、青年・学生と現役世代の支持をいかに広げるかがカギだと、若者に情報を発信するLINE(ライン)公式「ミライラボ」を立ち上げ、日本民主青年同盟とともに若い世代とつながる取り組みを始めています。
5月12日の共産党と後援会の総決起集会では、3人の民青同盟員・青年党員が自分の言葉で党の魅力や参院選への決意を語り、参加者の感動を広げました。
決起集会で訴えた、県内の党青年支部で活動する女性(26)は4月に2人の友人を党に迎えた経験を紹介。「『一緒に参院選をたたかおう』と訴えた。ここにいる全員が、候補者本人のたすきをかけたつもりでたたかおう」と呼びかけました。
一方で、他党も宣伝や訪問を強め、すでに激しいたたかいに。自公の現職はともに参院議員会長という要職で県内にくまなくポスターを張り出し、ポスター第1党を競い合っています。維新の新人陣営は、昨年の総選挙の比例北関東ブロックで2議席を獲得したことから重点区に位置づけられ、自民党批判と「身を切る改革」を訴え、各地で宣伝カーを運行。立民の新人も地方議員とともに宣伝や訪問を行っています。
共産党は前回2019年参院選で21年ぶりに議席を奪還しましたが、昨年の総選挙の比例票は自民、立民、公明、維新に続く5番目の27万4826票です。「比例を軸」にしながら政党間の力関係を変えるとりくみが求められています。
共産党県委員会は、「比例を軸に」を貫き、県民の「平和と暮らしを守れ」の願いを総結集できれば必ず勝利への展望が開かれるとして「全支部が後援会員とともに一気に本格的臨戦態勢に入り、目標をやりきろう」と呼びかけています。
(しんぶん赤旗2022年6月1日付より)