政府が保育所の待機児童「解消」のためとして規制緩和と詰め込みを進める緊急対策を発表したことをうけ、保育士や保護者らが11日、国会内で集会を開きました。政府担当者も出席するなか、保護者らからは「子どもの命と安全を脅かす」「私たちの願いに逆行している」と政府の対策への批判が相次ぎました。主催は「ママ・パパ・保育士(潜在も)国会へ!有志」です。
政府の緊急対策が、国を上回る人員や面積基準を導入している自治体に基準を下げるよう求めていることについて、公立保育園の非正規保育士の女性(37)は「今ですら子どもの安全を守ることもギリギリ。一度現場を見てください」と批判。「安心して生活できる賃金を」として政府が緊急対策に盛り込まなかった保育士の処遇改善を求めました。
生後8カ月の息子が保育園に入れなかったため2週間前に仕事を辞めたという女性(41)は「無認可園も見学したが安心して預けられる所ではなかった。なぜ母親になるのがこんなに大変なのか」と怒り心頭。
東京都足立区の「保育所つくってネットワーク」の母親は「親たちが入りたいのは質が担保されている認可保育所です。子どもの育ちを犠牲にして数だけ増やす規制緩和はやめて」と訴えました。
日本共産党、民進党の国会議員も出席。日本共産党からは、池内さおり、梅村さえこ、斉藤和子、島津幸広、堀内照文、本村伸子、宮本徹の各衆院議員、吉良よし子、田村智子の両参院議員が出席しました。
【「しんぶん赤旗」2016年4月12日付】